こんにちは! 購買課西川です。
今年も残すところ半月あまりとなり何かと忙しい毎日ですが、今日は奈良県十津川村上湯温泉の露天風呂のお話しをさせていただきます。
『源泉掛け流し宣言』している十津川村には「湯泉地(とうせんぢ)温泉」「十津川温泉」「上湯(かみゆ)温泉」という3源泉があり、其々高温で良質な温泉が湧出しています。
上湯温泉以外の温泉は、源泉湧出地はともかくとして比較的国道に近く交通の便がよい場所に旅館や公共の浴場があるのですが、この上湯温泉は国道から県道735を5kmほど入った山中に位置(字地名は出谷)しており、道幅も狭くて対面通行が困難なほど交通の便がよくありません。
しかしながら、上湯温泉の泉質は他の2湯に勝るとも劣らぬ上質なお湯で、個人的には『イチ押し!』のお湯です。
源泉は85度と高温で、透明で微かな硫黄臭とともにぬめりの強いツルツルの湯質は、河原にある広い露天風呂に面した素晴らしいロケーションと相まってまさに癒しの極みです♪
この露天風呂は以前、当地に1軒しかない【神湯荘】という温泉旅館が経営されていて、宿泊客や日中の立ち寄り客に開放されていましたが、残念ながら7年前の紀伊半島大水害で上湯川を駆け下った土砂に埋没し、再開のめどが立たぬまま約6年間放置されていました。この間に私も何度か電話で状況をお聞きしましたが、再開の予定はないようで半ばあきらめていましたが、「せっかくの名湯をこのまま消滅させるのは忍びない」と地元の方が権利を承継され、荒れ果てた浴場を整備され平成29年にようやく復活させました。
男子の露天浴槽も新しく(やや深くなっています)コンクリートを打ち変えて綺麗な姿に生まれ変わっています。
あの惨状からここまで復旧されるまで、大きな資金負担と大変なご苦労があったものと思います。また、今年に入って台風などの影響で4度も水害があり、その都度重機を投入して浴槽に入り込んだ土砂や岩を除いたそうで、加えて昨年設置した男子用脱衣場も流されてしまい、現在は簾で目隠しされた脱衣カゴと、その置き台だけの青天脱衣スペースで着替えすることになっています。一段高い屋根付き半露天の女湯から覗き込めば、着替え中の男性の露な姿が目に入ることになり、慣れない男性には苦痛かもしれないのですが、水害以前も男子脱衣場は女湯入り口階段の手前にあり、衣服を脱ぐとスッポンポンでその前を通って男子露天風呂に行っていたので、慣れてしまうと案外平気です(笑)
料金は大人500円と、前述のごとく多額の投入資金は到底ペイできるようなものではないと思いますが、私財を投げうって『男気』をみせられたご主人に感謝し、これからも足繁く通わせてもらうことにします。
※美味そうな写真は、この方面に行く際にいつも寄らせていただいている蕎麦処『風庵(ふうあん)』さんのきのこたっぷりの「きのこそばとかやくご飯の定食」です♪